英雄伝説「空の軌跡」「零の軌跡」「碧の軌跡」に登場するレンちゃん(殲滅天使レン様・CV西原久美子さま)を愛するブログです。
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ドラマCD『レン物語』感想5
絵の下の文章はCD内容バレですのでご注意ください。
トラック3 後半 クローゼットの中で
そのレンの喋り方にはやはり姉としての優しさと
「きれいなもの」を慈しむ様子がうかがえる。
複雑な思いもあろうが、思いっきり泣いて気持ちを吐き出して、
コリンを救えて安堵している自分を素直に受け入れることができた・・・のだろうか。
きれいな心はきれいな涙を流す。
レンは自分のことを「きれいな存在になるのはもう無理」と思っているのだろうが
全くそんなことはない。現に今もきれいだ。なによりも誰よりもきれいな心だ。
「レンの名前も存在もその人たちに伝える必要はない」
と、ハロルド夫妻に自分の存在が知られるのを拒むレン。
とても暗く沈んだ、ほどける可能性の無いほど頑なな声である。
ロイドがレンの「天才」の本質に触れると、
たいへん自慢げで甲高い喋りと、妖しげな蛇が這うような響きを使い分ける、
あのいつもの《殲滅天使》の声が出る。
「帰るべき場所が分かっているのに大きな岩が帰り道を塞いでいる」
と、妙に洞察力が優れすぎているロイドに言い当てられ、
息を吸い込むような声を出す。
「見所がある」程度に思っていたお兄さんにこうまで言い当てられて少し焦る、
そんなレンちゃんも可愛い。
言うまでもないことだが、西原さんってやっぱりこういう「呼吸の演技」も絶妙である。
「岩をとりのぞく手伝い」を提案するロイドを笑うレン。
「妄想も得意だったみたいね」は、殲滅天使の高飛車な、人を食った言い方。
「あなたなんかにレンの何が分かるっていうの」は、つい苛々して殲滅天使の演技も
忘れ気味になり、心の底の闇の部分から迸ってしまった、というような声。
「おれたちに任せられるようなそんな手頃なサイズの岩は無いかな」と言われ
「そんな・・・そんなの!」というのは・・・
はじめの方はか細く、自らの心の揺れをどう判断したら良いか分からぬような響き。
後半の「そんなの!」は、戸惑いをどうしても隠せなくて声が少し勢いのあるものに
なってしまったような感じ。独りで気丈に頑張って自らの闇や過去や沈む心と戦い
それでも道が見えてこないレンにとって、ロイドの優しい言葉は、つい縋りたくなる
ものであり、「どうしたらいいか分からない、助けて、教えて、」と言ってしまいたい
自分と、そんな弱さを自ら拒絶し否定し蔑む自分とが戦っているように思える。
そんな時、部屋の外からエリィが「ハロルドさんをお通しする」旨を伝える。
ここでまた息を吸い込むレン。どうしよう、と慌ててしまう感じがたまらない。
ハロルド達がそのうち来てしまうからすぐに去ろうと思っていたはずだが、
きっと話に夢中で時を忘れていたのだろう。なんて可愛いんでしょ。
クローゼットに隠れるか、というロイドの提案に素直に従うレンちゃんがまた・・・
「あっ・・・うん」と、戸惑う小さな子どもが涙ぐみながら言うような声。
これまたなんて可愛いんだ・・・どうなっているんだこの可愛らしさ。
普段の高飛車殲滅トークとの落差があるから、なおさらキュンキュンしますな。
あと、普段の小悪魔仔猫喋りが芝居であり、「素」はこっちなんだ、と再認識する。
ここで少しティオのことに触れますが
ハロルド夫妻が入ってきて、コリンの無事に「激しく」安堵し「激しく」喜ぶ様子に
「どうしてそこまで」とつぶやきますね。
聞く人によっては 「 ? 親なんだから当たり前でしょ? 」 となるかもしれないですね。
しかしティオは親の愛情は余り感じたことが無いのではないかと推測します。
そんな推測になるのは、ゲーム中にちらっと「親もティオの力を持て余し疎遠になってる」
というような表現があり、それを覚えていたからです。
レンのように、悲惨な流れで絆をぶち切られたわけではありません。
が、家庭というものにあまりあたたかみとか強い繋がりとかは感じてないでしょう。
普通の親子には当たり前でも、ティオにとっては驚くべきことである。
だから「どうしてそこまで」を言うのはティオでなければならなかったのだろうと思います。
ヘイワース夫妻が語る真実を、レンはクローゼットの中で聞いていました。
「捨てられ売られた」と思っていたが、本当はそうではなかった。愛されていた。
・・・きっとレンは、クローゼットの暗闇で、泣きながら聞いていたのでしょう。
油断すれば声がもれてしまうほど泣いていただろうと思います。
よく我慢したな・・・とゲーム中でも思いましたが・・・
ドラマCDだと声があるだけに、黙って震えてるレンをより強く想像して心を衝かれました。
夫妻が帰った後、クローゼットから出ると、静かに泣いているレン。
この静かな泣き方がまた、いじらしい。ゲームでももらい泣きしたが、ここでは尚更。
泣いているのを隠そうともせず出てきたということは、ロイドたちに心を開いてる証拠。
追いかけると間に合う、という言葉に、
「いいの・・・レンがこの街に来た理由・・・そのひとつが・・・なくなったから。
だから・・・これでいい。」
涙を零しながら、震える小さな声で語っている感じがよく出ていて、更に更に泣けます。
それから、悲痛な顔をしているであろうエリィたちに対してレンは
「そんな顔をしないで、」と、
少し俯いていた顔を上げ、泣いてるけども薄く笑顔をつくって、限りなくやわらかく、言う。
ドラマCDは声だけなんだから「顔を上げ」とか笑顔とか何故分かる?
などという愚かな問いは出ないと思うが、出たとしたら、「とにかく分かるのだ」
としか言いようがない。アニメを観てるかのように表情がありありと分かる喋りだ。
この言い方には殲滅天使や謎の仔猫の響きは全く無く、聖なる少女の優しさが満載。
絶対こっちが「素」だよ、うん。クローゼット入る前の戸惑った様子や、
今のやわらかーい喋りこそレンの本当の話し方なのだ。
そして、とても素直な様子で、静かに言う。
「ありがとう、お兄さん。レンの帰り道をジャマしている、いくつもの大きな岩・・・
その1つを、取り除いてくれて。」
・・・本当に素直に言えたなぁ~ うん、うん・・・良かったなぁ~レン・・・
と、ゲーム中もしみじみと感じたことを、また改めて感じました。
『空の軌跡』SCからのレンの様子をずっと見てると・・・
憎しみの対象となってもおかしくなかった弟コリンを助けたり、
ロイド達にこうして素直な気持ちを語る様子を見たりするだけで
号泣ものなわけです。それに声が入って、しかもこんなに感情移入できる演技
ともなればもう号泣どころではない。
特に「取り除いてくれて」を言う辺りではレンちゃん、まだ泣き声が混じっていながらも
精一杯の嬉しさを伝えようとして頑張って明るく言ってる様子が伝わってくる。
「今日のお礼はいずれ、ちゃんとさせてもらうから・・・」と芝居じゃなく本心から言って
去るレンちゃん、ひとつ壁を乗り越えて、魅力が更に増してる感じがした。
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